れみ姐さんの小部屋

脳内垂れ流しております。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

閑話休題

最近は専ら、現実から逃げている。 っていうと聞こえ悪いな。でも、そうなんだと思う。 約二週間で、西加奈子さんのサラバ!上下巻、伊坂幸太郎さんのグラスホッパーを読み、るろうに剣心京都編、伝説の最期編、テルマエロマエⅡ、銀の匙、きいろいゾウ、アフ…

アイドリング(4)

翌日は休日だった。目が覚めると、いつも通り彼は床に座って眠っていた。ふう、と溜息を吐きながら彼女はシャワーを浴びた。 ふくよかではないけれど決して細いとも言えない自分の身体が、彼女のコンプレックスだった。入浴時間は出来るだけ手早く済ませ、ど…

アイドリング(3)

その晩、彼らは深く愛しあった。とでもいけば話も美しいが、実際は二人ともいつものように眠った。彼女はシングルのベッドで、彼は最初はそこにいるのだが、必ず途中で床に座りなおして眠る。狭さも落ち着かないし、彼女の体温も落ち着かない。ひんやりした…

アイドリング(2)

彼はもともと、どちらかといえば寡黙だった。自分の事をベラベラ話すのも、他人の話を頷きながら聞くのも、億劫で仕方なかった。たった一人、彼女の話だけは不思議と受け入れることが出来た。快活でもなく、鬱蒼ともせず、ころころと笑いながら、とりとめな…

アイドリング(1)

「なんでそっち見とるん。」 彼女は本来であれば苛立っていることをおくびにも出したくなかったが、天気がそうはさせてくれなかった。外は小雨、寒空、暗雲立ち込めていて、尚且つ風は不気味である。 一方、彼はというと彼女の苛立ちに気付こうともせず、風…